沖縄県豊見城市翁長にある歯科医院、モリヤデンタルオフィスの院長・歯科医師の森谷良孝です。
「フッ素って結局、子どもの歯にいいの?」「たくさん使っても大丈夫?」——小さなお子さまをお持ちの保護者の方から、フッ素についてのご質問をよくいただきます。フッ素は正しく使えば虫歯予防にとても役立つ一方で、量や使い方の目安を知っておくと、より安心して取り入れられます。今回は、フッ素の効果と安全性、そしてご家庭での上手な使い方についてお話しします。
フッ素(フッ化物)には、歯の表面を硬く丈夫にして酸に溶けにくくする、ごく初期の虫歯を修復する手助けをする(再石灰化)、虫歯の原因菌の働きをおさえる、といった作用があります。とくに生えたばかりの乳歯や、生え変わったばかりの永久歯は歯の質がやわらかく虫歯になりやすいため、この時期にフッ素を上手に使うことが予防に役立ちます。乳歯の虫歯は、その下で育つ永久歯やかみ合わせにも影響することがあるため、「乳歯はいずれ抜けるから」と軽く考えず、早いうちからケアしてあげることが大切です。
歯科医院で行うフッ素塗布は、家庭用より濃度の高いフッ素を歯科医師・歯科衛生士が直接歯に塗る方法で、数か月に一度を目安に行います。一方、ご家庭で使うフッ素入り歯みがき粉やフッ素洗口は濃度が低く、毎日続けることで力を発揮します。「高い濃度のものを歯科医院で時々」と「低い濃度のものを家庭で毎日」を組み合わせるのが、虫歯予防の基本的な考え方です。フッ素塗布は、最初の歯が生えてきたころから始められます。お子さまの歯が生えてきたら、一度ご相談いただくとよいでしょう。
フッ素入り歯みがき粉は、年齢によって使う量やフッ素濃度の目安が異なります。日本口腔衛生学会など歯科系の4学会が2023年に示した目安では、歯が生えてから2歳ごろまでは米粒程度(1〜2mm・約1000ppm)、3〜5歳ではグリーンピース粒ほど(5mm程度・約1000ppm)、6歳以上では歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度・約1500ppm)を、いずれも1日2回を目安とするとされています。使ったあとは少量の水で1回だけ軽くゆすぐと、フッ素がお口に残りやすくなります。何度もしっかりゆすいでしまうと、せっかくのフッ素が流れてしまうため注意が必要です。なお、高濃度(1500ppm)の歯みがき粉は6歳未満のお子さまには使わないようにしましょう。適切な量や濃度はお子さまの年齢やお口の状態によって変わりますので、具体的にはかかりつけの歯科医師にご相談ください。
フッ素は、適切な量を守って使えば、虫歯予防の方法として世界的にも広く用いられているものです。一方で、歯みがき粉を一度に大量に飲み込んでしまうなど、極端に多く取り込むと体調を崩すことがあるため、小さなお子さまが一人でたっぷり使わないよう、保護者の方が見守ってあげると安心です。毎日の歯みがきで使う程度の量であれば、過度に心配する必要はありません。フッ素入り歯みがき粉やフッ素洗口液は、お子さまの手の届かないところに保管しておきましょう。気になる点は、遠慮なく歯科医院でお尋ねください。
フッ素はあくまで予防を助けてくれるものであり、フッ素を使えば必ず虫歯にならない、というわけではありません。大切なのは、①毎日のていねいな歯みがき(保護者による仕上げみがきを含む)、②だらだら食べや甘い飲み物を控える食習慣、③歯科医院での定期的なチェックとフッ素塗布、この3つを組み合わせることです。とくに「おやつの時間を決める」ことは、お口の中が酸性に傾く時間を減らし、虫歯予防にとても効果的です。これらを習慣にすることで、虫歯になりにくいお口を育てていけます。
Q. 仕上げみがきは何歳まで必要ですか?
お子さまが自分でじょうずにみがけるようになるまで、目安として小学校高学年ごろまでは続けてあげるのがおすすめです。とくに奥歯のみがき残しは虫歯になりやすいため、仕上げみがきで確認してあげましょう。
Q. フッ素塗布をすれば歯みがきはしなくてよいですか?
いいえ。フッ素塗布は毎日の歯みがきを補うものです。歯垢(プラーク)が残ったままではフッ素の効果も十分に発揮されませんので、毎日のケアとあわせて行うことが大切です。
当院では、お子さまの年齢やお口の状態に合わせて、フッ素塗布や歯みがきのアドバイス、生え変わりのチェックを行っています。「仕上げみがきはいつまで必要?」「うちの子の歯みがき粉の量はこれで合っている?」といった素朴な疑問にもお答えします。小児歯科の診療案内はこちら。お子さま連れでも通いやすいよう院内の託児施設(キッズルーム)も整えていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
お電話でのご相談:098-850-3239
この記事はモリヤデンタルオフィス 院長・森谷良孝が監修しています。歯学博士。予防を重視し、お子さまのお口の健康づくりや口腔機能の発達支援に取り組んでいます。※フッ素の効果や適切な使用量には個人差があります。お子さまのお口の状態に合わせて、かかりつけの歯科医師にご相談ください。
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